ボトックスとはどのような薬剤なのか
ボトックス注射はシワ取り注射という別名が付いているものであり、世の中に広く知られるようになったのは美容外科の分野でほうれい線や目尻のシワを消せる注射、と紹介されたからです。ボトックスとはボツリヌス菌という細菌が生み出す毒素であり、筋肉に作用して筋肉の緊張を緩めることが出来ます。口にすれば呼吸筋が緩んで息が出来なくなるような恐ろしい毒素ですが、適切に使えば非常に便利に使うことの出来るものです。表情筋を緩めれば顔のシワを目立たなくすることが出来ますし、肩の筋肉に注射することで肩こりの改善に使われることもあります。
ボトックスは神経の病気を治療するためにも使われる
ボトックスは決して美容分野でだけ使用されているものではなく、むしろ神経疾患を扱う診療科で治療のために用いられているほうが多いものです。痙攣がある場合には神経が筋肉を刺激してしまうためにピクピクと不快な感じを残すものですが、痙攣する筋肉をボトックスで緩めることによってピクピクと筋肉が動く感覚は気にならなくなります。脳梗塞の後など、筋肉が強張って動かしづらい場合はボトックス注射によって少し動かしやすくなります。患者さんが日常生活を送りやすいよう、ボトックス注射を打つことが非常に多いのです。
ボトックス注射の効果は数か月
ボトックス注射は一度打ったからといってずっと効果が持続するものではありません。タンパク毒素であるボトックス注射は体内で徐々に分解され、注射してから1か月くらいで効果の減弱を感じ始めることになります。半年経つ頃には注射する前の状態に戻ったような感覚になるため、ボトックス注射は定期的に打って貰う必要があるのです。毎回ボトックス注射の予約をすることは煩雑ですが、きちんと毎回受診しましょう。
ボトックスとは、ボツリヌス菌から抽出し毒素を除いた成分のことです。美容外科や美容皮膚科で目じりや眉間の「しわ」を目立たなくする治療で使用します。海外では多くの女優さんが使用しています。